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怖い感染症  5  (重篤な症状が出やすい感染症)

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    今回は致死率は低いが、重症化すると予後が悪い感染症をまとめます。


    重症急性呼吸器症候群(SARS) 
     
    【致死率】
    14〜15% 

    【病原体】
    SARSウイルス  

    【分布】
    世界中 

    【潜伏期間】
    2〜10日 

    【症状】
    初期症状として発熱、筋肉痛などインフルエンザに似た症状を発し、症状が進行すると、
         呼吸困難などの肺炎症状を示し、下痢などの消化器異常も発症(8割はここから回復)
         急速に呼吸促迫及び酸素飽和度の低下を起こし、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)を起こし、
         死に至ることが有る。(発症の2割弱)
         

    【治療法】
    有効な根治療法無し、症状の緩和と一般的な細菌性肺炎に対する治療を行う。
           いくつかの薬剤の有効性の報告があるが、立証されていない。
           患者の隔離以外有効な予防対策はない。

    【詳細】
     
    流行の中心は院内感染で、成人に多く子供の患者は少ない。
    発症者の8割は回復し、2割が重症化(年齢や発症前の健康状態により重症度合いが違う)
    現在でも感染源、感染経路など解明されていない。
    飛沫感染が有力だが、空気感染の可能性も除外されていない。




    腎症候性出血熱 

    【致死率】
    10%

    【病原体】
    ハンタウイルス

    【分布】
    ヨーロッパ・アジア

    【潜伏期間】
    10〜30日 

    【症状】軽症の場合、上気道炎と微熱、軽度の蛋白尿などが見られる。
         重症の場合、低血圧(4〜10日)、乏尿(8〜13日)、利尿(10〜28日)そして回復に向う。
         3〜4割で出血傾向が見られる。 

    【治療法】有効な治療法なし、対処療法のみ。
           急性腎不全に注意し、必要な場合人工透析を行う。

    【詳細】
     
    ネズミを介して感染する。
    ウイルス保持のネズミに噛まれる、傷口からのネズミの体液、排泄物などの侵入で感染。
    ウイルス保持のネズミの尿に多量に含まれるため、し尿を含んだ粉塵などで感染する事も有る。
    ヨーロッパ型(スカンジナビア型)は良性腎症が多い。
    反して、アジア型は重症化することが多い。
    人-人感染はない




    ジフテリア 

    【致死率】
    5〜10% 

    【病原体】
    ジフテリア菌

    【分布】
    世界中

    【潜伏期間】
    1〜10日 

    【症状】
     発熱、咽頭痛、嚥下痛などを初期症状とし、血液を帯びた鼻汁、鼻孔、上唇のびらん
          咽頭周辺に白(灰色)い偽膜が形成され、偽膜が気道まで侵出し呼吸困難を生じる。
          膜形成が声門、気管支まで進展すると気管閉塞で死に至ることがある。

    【治療法】ワクチンによる予防が最善策
           血清治療はアナフィラキシーショックに注意 

    【詳細】
     
    感染者の発症率は10%
    ワクチンが開発されるまでは年間数万人が感染していたが、現在はワクチン効果で年20人程度
    発症患者及び、未発症患者の咳などによる飛沫感染




    サル痘 

    【致死率】
    1〜10% 

    【病原体】
    サル痘ウイルス

    【分布】
    アフリカ・アメリカ 

    【潜伏期間】
    7〜21日  

    【症状】
     初期症状として発熱、発疹、発汗、頭痛、咽頭痛、リンパ筋腫脹が現れ、
          重症化すると天然痘と区別が付かない。

    【治療法】
    特別な治療法なし、対処療法のみ
           種痘による予防は効果的だが、天然痘撲滅後行っていない国が多い(日本も) 

    【詳細】
     
    重症化した場合、天然痘に似た症状が出る。
    サルが発症すると、天然痘と同じ症状を発し致死率は高い(3〜48%)
    宿主はアフリカのリス。




    Q熱

    【致死率】
    1〜2%(急性)

    【病原体】
    コクシエラ菌

    【分布】
    世界中 

    【潜伏期間】
    20日程  

    【症状】
     初期症状はインフルエンザに似ているが、肺炎や肝炎など他の症状も発するため、特定が難しい。
          急性型の2〜10%で心内膜炎を起こし、慢性化する。
          適切な治療を行わないと致死率が高くなる。
          
    【治療法】
    テトラサイクリン系の抗菌剤が有効、クロラムフェニコールも有効
           急性型の場合長期投与が必要、慢性型の場合投薬による改善は十分に得られない。
           急性から慢性に至らないように治療することが重要。

    【詳細】
     
    病名は「Query fever = 不明熱」(原因不明の発熱だったため)
    コクシエラ菌はリケッチアの一種
    感染動物の排泄物、乳などに含まれエアロゾルや、汚染された土壌の粉塵から感染する。
    ダニから家畜やペットに感染し、人に感染する。
    人-人感染はない
    妊婦が感染すると流産の危険性がある。



    以上が、重症化すると予後が悪い感染症です。
    この後は、現在の医療技術のおかげで、致死率も低く危険度も低いが有名な感染症をまとめ、
    治療を怠ると致死率が高い感染症に移ります。




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