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治療をしないと致死率が高い感染症 2  (治療により致死率は下がる)

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    うっかり忘れていたが、まだまとめ終ってなかったので再開。
    久々に文字だけです。
     
    治療すれば致死率が下がるが、治療を怠ったり対処が遅れると死に至る伝染病です。


    内臓リーシュマニア症

    【致死率】ほぼ100%

    【病原体】原虫リーシュマニア

    【分布】アフリカ・アジア・ヨーロッパ

    【潜伏期間】数週間〜数ヶ月以上(感染から数年後に発症する事もある)

    【症状】発病期は倦怠感、蒼白、痩せ、下痢、発熱などが見られマラリアと間違えられやすい。
        
        全身期に入ると、熱の不規則な上昇と肝臓・脾臓のリンパ節症候群による肥大、
        高熱による錯乱、極度の貧血を併発し治療を怠れば死に至る。
        
        子供が発症した場合、細菌感染、出血症候群、赤痢様状態で死に至る。


    【治療法】感染種、地理的位置により治療法は変わる。
         
         アンチモニルグルコン酸ナトリウム、アンチモン酸メグルミンを含有する薬剤を、
         静脈または筋肉注射(1日1回 20〜28日間)嘔吐・倦怠・心毒性の副作用あり。
         
         他に、リポソームアムホテリシンB、ミルテフォシンなども使用される。
         
         子供が発症した場合致死性が高い。(自然寛解する事は有る)
         
         現在予防に有効なワクチンは無い


    【詳細】

    子供の内臓リーシュマニア症は地中海沿岸に多い(他の場所では見られない)
    潜伏期間が極めて長く、感染した種や地域により治療法が違うため、対処が遅れることがある。
    免疫不全者(移植後、AIDS)は重症化しやすい。
    サシチョウバエ類により媒介され、刺された時に感染する。



    進行性播種性ヒストプラスマ症

    【致死率】90%

    【病原体】ヒストプラスマ・カプスラーツム/ズボアジ/ファルシミノーズム

    【分布】日本を除く世界中

    【潜伏期間】3〜21日

    【症状】初期症状は発熱、疲労、体重減少、脱力、倦怠など軽微な症状を示す(ほとんどの人は発症してもこの程度)
        
        初期症状が自然治癒したかのように見えて、肝臓や脾臓、リンパ節の腫れ、口や腸に潰瘍、
        稀に副腎が侵されアジソン病を起こす。適切な治療をしないと死に至る。

        AIDS患者の場合、治療しても急速に死に至ることがある。


    【治療法】
    アムホテリシンBを静脈注射(1日1回 4〜12週)

         非AIDS患者で状態が安定した場合、イトラコナゾールを経口投与(1日1回 9ヶ月)に切り替える。

         AIDS患者の場合は、安定後もイトラコナゾールの経口投与(1日1回〜2回)を無期限


    【詳細】
    ほとんどの場合ヒストプラスマに感染しても、感染しても無症候性か発症しても軽度。
    免疫の低い乳児やAIDS患者は重篤な症状を示す、進行性播種性ヒストプラスマに進行する事がある。
    ヒストプラスマの原因菌は土中や、野鳥やこうもりの糞中を好んで繁殖する。




    炭疽(肺炭疽)

    【致死率】80%

    【病原体】炭疽菌

    【分布】世界中

    【潜伏期間】1〜7日

    【症状】初期症状はインフルエンザ様症状で軽度の発熱、倦怠、筋肉痛、気管支肺炎様症状を示し、
     
        発熱、呼吸困難、咳、頭痛、嘔吐、悪寒、脱力、腹部・胸部の疼痛を起こし、未治療の場合高率で死に至る。


    【治療法】
    感染が明らかな場合、発症前に抗菌薬による治療が有効。

         発症後はペニシリンG、シプロフロキサシンの静脈投与が有効 


    【詳細】
    発症は極めて稀
    病原体は土中に芽胞として長期生存し、生物の体内で発芽し発症、感染した動物の血液・体液・死体から土壌に戻る。
    炭疽発症による動物の死亡は、致死毒によるショック死


    コレラ

    【致死率】75〜80%

    【病原体】コレラ菌

    【分布】世界中

    【潜伏期間】1〜5日

    【症状】軽症の場合、軽度の下痢で回復に向かう

        重症の場合、腹部の不快感と不安感に続き、突然の下痢と嘔吐を起こしショック状態になる。

        下痢は白色または灰白色の水様便で、多少の粘性と甘く生臭い臭いがある。

        大量の下痢による脱水症状を起こし、収縮期血圧の低下、皮膚の乾燥と弾力の消失、

        意識消失、失声、欠尿または無尿などの症状を示し、治療しないと高率で死に至る。


    【治療法】
    治療は水分と電解質の補給が中心で、GES(glucose-electrolytes-solution:グルコースー電解質の混合液)の
         経口投与や静脈点滴を行う。

         WHOでは、ナトリウム3.5g、塩化カリウム1.5g、グルコース20g、炭酸ナトリウム2.5gを、1リットルの水に溶かした
         経口輸液の投与を推奨している。

         重症患者の場合は、抗生物質のとしてニューキノロン系薬剤、テロラサイクロン、ドキシサイクリン、
         耐性を持つ菌の場合は、エリスロマイシン、トリメトプリム、スルファメトキサゾール合剤、ノルフロキサシンが有効。

         予防に有効なワクチンは無い


    【詳細】
    治療をすると致死率は1〜2%
    予防としては、流行地の生水や生食品を食さない(氷なども注意が必要)

    感染症新法第2類感染症に属しているため、コレラ発症また病原体保有を確認した段階で、
    医師は保健所長経由で都道府県知事に届け出なくてはいけない。



    久々にまとめたので、案外手間取りました。
    もう少し怖い感染症があるので、後数回は続きます。(不定期ですが)



    ヘリコバクター・ピロリ   (またの名はピロリ菌)

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      慢性胃炎で胃が痛い毎日を送っているわけですが、そうなって来るとやはり気に成るのがヘリコバクター!
      今日は「ヘリコバクター・ピロリ」について書きます。



      ヘリコバクター・ピロリとは 

      1982年にオーストラリアで発見された胃の中に生息する菌で、感染経路ははっきり解明されていない。



      名前の意味

      ヘリコ:ラテン語の「らせん」から (形がらせん状なので)

      バクター:ラテン語の「細菌」から (カンピロバクターのバクターも同じ)

      ピロリ:ラテン語の「幽門」から  (最初に菌を分離確認できた胃の場所)




      胃のどこに居て、なぜ消化されないのか?

      胃は細胞を粘膜と粘液で覆い、胃液で自らを消化しない様に守っている。
      ヘリコバクター・ピロリは、その粘液の下の胃壁細胞に入り込み胃液による消化を避けつつ、
      自らも尿素を分解してアンモニアを作り、周辺を中和して自らを守っている。



      人体にどのような悪影響があるか?

      ヘリコバクター・ピロリは胃壁細胞に取り付くと、毒素を生成し細胞を攻撃し始めます。
      それに白血球が対抗する事で胃壁細胞周辺で炎症が起き、胃粘膜の消耗・炎症=胃炎となる。
      さらに症状が悪化すると、胃や十二指腸の粘膜がえぐられ消化性潰瘍を起こす。



      ヘリコバクター・ピロリに感染した後の経過


      初期段階:胃に感染したヘリコバクター・ピロリが胃の粘膜を荒らし「慢性胃炎」を起こす。

      中期段階:「慢性胃炎」の影響で胃粘膜の防御力が低下、ストレスや刺激の強い(辛い・塩辛い)食事、
             発がん性物質の影響を受けやすくなる。

      後期段階:胃粘膜の損傷、粘膜の萎縮、腸上皮化生により、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を起こし、
             胃がんに成る事もある。

      実情としては、初期段階と中期段階の間のまま、後期段階に進まない人の方が多い。
              


      ヘリコバクター・ピロリと胃がんの関係

      ヘリコバクター・ピロリに感染すると、胃がんへのリスクは高まる。
      そのリスク率は10年間の追跡調査で、ヘリコバクター・ピロリ陽性例で2.9%(36/1246例)
      ヘリコバクター・ピロリ陰性例では胃がんは確認されていない。(0/280例)

      (Uemura.N.et al,: N.Engi.J.Med.,345.784-789.2001)



      どのような人に多いのか?

      明確な感染経路は確定していないが、経口感染が主な感染経路と考えられている。
      上下水道が整備されていない地域や国での感染率が高いが、先進国の中でも日本は際立って感染率が高い。
      (50歳以上70~80%)
      だたし、衛生状況が改善された今、40代以下の世代での感染率は急激に低下している。



      どのように感染を調べるのか?

      検査方法は内視鏡を使ったものと、使わないものがある。

       ・内視鏡検査(胃カメラ)

         培養法:摂取した細胞を培養し、菌が存在するか確認する。(4〜5日培養)

         迅速ウレアーゼ試験(RUT):摂取した細胞をpH指示薬と尿素を混合した試験液に漬け、
                             菌によるアンモニア生成があるか確認する試験。
                             ウレアーゼ:アンモニアを生成する酵素
         
         鏡検法:摂取した細胞を化学的に染色し、顕微鏡で菌が居るか確認


       ・尿素呼気検査法(現在主流の検査)
         「炭素13−尿素」を服用し、呼気(二酸化炭素量)を調べる検査(30分くらいで結果が出る)
         菌に感染していると、非感染時より呼気に含まれる炭素13が増加する。
       
         炭素13は炭素の同位元素で人体の1.1%を構成する、人体に影響が無い物質。

       ・抗体・抗原測定法   
         血液や尿のヘリコバクター・ピロリに対する抗体や抗原を測定する。



      ヘリコバクター・ピロリ感染への対応

      ヘリコバクター・ピロリは除菌できます。
      胃を保護するための抗潰瘍薬(胃酸の分泌を抑える、プロトンポンプ阻害剤PPI)と、
      2種類の抗生物質を1週間服用する事で、約80%の除菌成功が確認されている。(3~6ヶ月の経過観察は必要)
      失敗した場合は、抗生物質を変えて二次除菌を行う。



      除菌したら症状は無くなる?

      ヘリコバクター・ピロリ陽性患者は、除菌した事で慢性胃炎や消化性潰瘍の発生率が低下することが確認されている。



      以上、ヘリコバクター・ピロリに関してまとめました。
      特に暴飲暴食をしていないのに、胃が常に痛む人は一度検査を受ける事をオススメします。
      慢性胃炎の期間が長いほど、状態が悪くなる確率は上がるそうです。





      麻酔の事 (安全性と危険性)

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        麻酔に関して最近説明を聞いたので、その事についてまとめる。



        麻酔の目的

        手術に伴う精神的・身体的なストレスを最小限にする事 → 手術による痛みをとる事が最大目的



        麻酔に求められる効果

        1:鎮痛(痛みをとる)

        2:鎮静・健忘(意識をとる)

        3:筋弛緩(筋肉を柔らかくし、手術を容易にする)

        4:反射の抑制(術中、予測不能な反射反応を抑える)



        麻酔の種類

        麻酔は、意識がない状態にする「全身麻酔」と、意識がある状態の「局所麻酔」がある。

        全身麻酔は上記の「麻酔の効果」が全てが必要な手術の時に用いられる。

        局所麻酔は逆に、術中に患者の反応を見る必要がある手術の時に用いられる。(言語確認や四肢の痛覚など)



        ○全身麻酔

         脳に作用する麻酔薬(吸入麻酔薬・静脈麻酔薬)を使用し、術中意識のない睡眠状態にする。
         
         ・静脈麻酔
         点滴により投与し、数分で意識がなくなる。(1分程度)
         体内の循環機能により分解され排出される。
         肝機能や腎機能が低下している時は、十分な管理の元手の使用が必要。

         ・吸入麻酔
         マスクからガスを吸引し徐々に意識をなくす。 
         体内で分解されず、呼気から排出される。
         肝機能や腎機能が低下していても影響無く使用できる。



        ○局所麻酔
         
         術中に鎮痛などの処理が必要な場所に麻酔を使用し、意識のある状態で手術を行う。
         (患者の希望により、鎮静薬で眠る事が可能な事もある)

         ・局所麻酔
         手術対象周辺の皮膚や粘膜に、麻酔薬を注射または塗布(噴霧)する。(歯科治療時の麻酔など)
         限られた場所の手術に使用するため、麻酔医の監視は不要。
         
         ・抹消神経ブロック
         手術対象部を支配する神経に麻酔薬を注射する。
         術部により「腕神経叢ブロック」や「閉鎖神経ブロック」など様々ある。

         ・脊髄くも膜下麻酔(脊椎麻酔・腰椎麻酔)
         腰に麻酔薬を注射し、下半身の痛みを遮断する。
         脊髄(脳から始まり、背骨の中を通る太い神経)は脊椎の中で液体(脳脊髄液)の中に浮いている。
         脳脊髄液に麻酔薬を注射する事で下半身を麻痺させる。
         使用する麻酔薬が少ないため、胎児の影響を避けたい手術(帝王切開)などに適している。
         術中の追加投与ができないため、短時間の手術に適している。

         ・硬膜外麻酔
         脊髄を覆う硬膜の外側に麻酔薬を注入する。
         胸部や腹部の及び下半身の手術に適している。
         細い管(硬膜外カテーテル)の入れておくことで、麻酔薬の追加投与(量の調整も可能)が出来る。
         術後の痛み軽減のための鎮痛処理にも適している。



        麻酔による合併症

         ・悪性高熱症
          麻酔薬により急激な発熱、筋硬直を起こし死に至ることがある。
          20万例に1例の珍しい合併症で、遺伝的要素が強い。
          家族親族で、過去に麻酔(歯科治療の麻酔含む)により体調を崩した事がある人が居る場合は注意が必要。

         ・アレルギーショック
          麻酔中の薬物によるアレルギー反応により血圧が低下してしまう。
          過去の麻酔(歯科治療時含む)で体調を崩した事が有る場合注意が必要。

         ・気管挿管に伴う合併症
          気管挿入及び挿入時に使用する喉頭鏡により喉を痛めることがある。(歯が傷つく事もある)
          術後に喉の痛みや声のかすれが起こるが、数日から数週間で自然回復する。
          まれに反回神経麻痺により、長い期間声が出難くなったりする事がある。

         ・脊髄麻酔に伴う合併症
          麻酔薬の残存により、足や臀部の痺れ、尿が出難いなどの症状が出る。(残存麻酔が無くなれば自然に回復)
          脳脊髄液の漏れにより、頭痛を起こす事がある。(水分摂取を増やす事で回復する事がほとんど)
          術後長引くようなら検査が必要(想定外での出血による神経圧迫など)
          他にも全脊麻(想定の範囲以外の麻痺)、局所麻酔中毒(投与された麻酔が急速に血中に吸収された状態)
          硬膜外膿瘍(硬膜外腔に感染症を起こす)


        他にも麻酔使用によるモニター処置による合併症も有る。



        麻酔の安全性
         
          元気な患者の全身麻酔による事故は10万〜100万例に1例
          
          同等の安全性
           ・輸血のリスク
           ・大型飛行機による旅行
           ・チャーター便搭乗
           ・鉄道事故
           ・原子力発電所の災害
          などが上げられる。


        以上、最近聞いてきた麻酔の説明をまとめました。


        貰った資料の「麻酔の安全性」に関しての項目には、「原子力発電所の災害」と「鉄道事故」が記載されていますが、
        説明時はその2点にまったく触れないため、説明し難い感じがありました。

        もし説明されても不安になるだけだから、スルーは正解だな。

           


        治療をしないと致死率が高い感染症 1  (治療により致死率は下がる)

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          久々に感染症、今回は治療をしないとほぼ死亡する感染症をまとめます。
          但し治療を行う事で致死率が下がったり、死の危険性が無くなる物です。



          アフリカ睡眠病

          【無治療時の致死率】ほぼ100%

          【病原体】トリパノソーマ

          【分布】アフリカ

          【潜伏期間】7〜21日

          【症状】初期症状として発熱、頭痛、関節痛が起き、リンパ節が腫れあがる。
               進行すると、貧血、心臓・腎臓・内分泌系の障害を発する。
               さらに悪化すると、神経痛、錯乱、躁鬱などの精神障害を起こし、睡眠周期の乱れで昼夜の逆転、
               意識朦朧となり、昏睡し死に至る。

          【治療法】精神障害が発生する前後で治療法、予後の状況などが変わってくる。
                 
                 精神障害発生前(第1期)は原虫がまだ中枢神経にたどり着いていないため、
                 ペンタミジンやスラミンの静脈注射が有効(2年間、6ヶ月事の検査が必要)
                 予後も比較的良好
                 
                 精神障害発生後は、ペンタミジンやスラミンは中枢神経まで届かないため無効
                 メラルソプロールの静脈注射を10日間程度行うが、有機砒素化合物のため薬により死亡する事もある。
                 中枢神経に障害を負うため、感染症の回復後も脳障害を負う確率が高い

                 有効な予防ワクチンはない
           
          【詳細】
          ツェツェバエが媒介し、吸血時に感染する。
          ハエを近づけない生活を送ることが最大の対策
          治療薬の開発は進んでいるが、ゲノム解析によりワクチン作成が困難である事が分かっている。(多様性)
          初期に病理診断できるかによって、回復後の状況が変わってくる。
           



          後天性免疫不全症候群(エイズ)

          【無治療時の致死率】ほぼ100%

          【病原体】ヒト免疫不全ウイルス(HIV)

          【分布】世界中

          【潜伏期間】数年〜10年

          【症状】 (初期)感染後2〜3週間で発熱、咽頭痛、頭痛などインフルエンザ様の症状を発するが、
                     数日か数週間続き自然に収まる。(無症状な事もある)

                (無症状期)感染が6〜8週間で抗体が産生され、ウイルスを抑制し無症状期となる。
              
                (中期)無症状期を過ぎると、発熱、倦怠感、リンパ節腫脹、帯状疱疹が起きる。

                (エイズ発症期)治療が行われないままで居ると、HIVの増殖が抑制できなくなり、
                          T細胞の破壊が進み、カリニ肺炎などの日和見感染を発症、
                          食欲低下、下痢、低栄養状態、衰弱などを起こし、
                          発症後未治療なら予後は2〜3年

          【治療法】治療法は大きく進歩を遂げ、AZTなどの逆転写酵素阻害剤や、プロテアーゼ阻害剤が開発され、
                 日和見感染症の頻度や、死亡者数は95年以来40%減少している。
                 但し、薬品耐性が付いてきたため減少状況は停滞気味。
                 治療を行い、HIVウイルスの増殖を抑制する事が治療の中心

          【詳細】 
          感染経路は、血液感染、性的接触、母子感染の3種(臓器、角膜移植など稀な例もある)
          蚊を仲介しての感染、握手、抱擁、軽いキスなど日常的な接触では感染しない。
          治療を早期に始める事で、ウイルスの抑制が有効に働くため感染症の診断を受ける事が重要




          ペスト(肺ペスト)

          【無治療時の致死率ほぼ100%

          【病原体】ペスト菌

          【分布】世界中

          【潜伏期間】2〜7日

          【症状】強烈な頭痛、嘔吐、39〜41℃の発熱、急激な呼吸困難、泡だった血痰(鮮紅)を伴う重篤な肺炎を起こす。
               発症後12〜24時間で死に至る(5時間の例もある)

          【治療法】発症確認後速やかに抗菌薬の投与(進行が早いため迅速な対応が必要)
                 ストレプトマイシンが日本では行く使われているが、副作用に注意が必要。
                 WHO推奨の抗ペスト薬は、アミノ配糖体、テトラサイクリン系、クロラムフェニコール、
                 ニューキノロン系が上げられている。
                 どの薬品も治療期間が10日間を超えないように注意(副作用)

          【詳細】
          発症は極めて稀だが、ペストの中で一番危険
          肺に菌が進入し肺胞を破壊しながら、痰や呼気に含まれる形で周囲に菌が拡散される。
          急速な人-人感染の感染源となる。




          鼻疽(びそ)

          【無治療時の致死率】ほぼ100%

          【病原体】鼻疽

          【分布】アジア

          【潜伏期間】1〜5日

          【症状】初期症状は頭痛、発熱、筋肉痛、急性型になると膿瘍鼻汁、鼻腔粘膜の結節、肺炎、
               膿胸、皮下リンパ節の結節、腫瘍や潰瘍などが起き、慢性型になると微熱を繰り返し、
               徐々に体力が奪われていき、治療を行わなければ死に至る。

          【治療法】サルファダイアジン、テトラサイクリン、セフタジジム、イミペネムの投与が有効
                 有効な予防ワクチンはない

          【詳細】
          馬やロバの病気で、人にも感染する人獣共通感染症(犬、猫、羊などにも感染)
          家畜伝染病予防法の法定伝染病の一つ
          馬が発症した場合は治療を行わず、淘汰処理される。




          髄膜炎菌性髄膜炎

          【無治療時の致死率ほぼ100%

          【病原体】髄膜炎菌

          【分布】世界中

          【潜伏期間】2〜5日

          【症状】敗血症を起こし、高熱や皮膚、粘膜の出血、関節炎を発症、進行すると髄膜炎を起こし、
               頭痛、吐き気、精神症状、発疹などを起こし、劇症型に進行すると痙攣、意識障害を呈し、
               汎発症血管内凝固症候群(DIC)を伴いショック死に至る。

          【治療法】ペニシリンGや、髄膜炎の初期治療に使われるセフォタキ、シム(CTX)、ソフトリアキソン(CTRX)、
                 は有効性が高い。
                 有効なワクチンもあるが、効果は数年しか持たない(日本は輸入していない)

          【詳細】
          感染者中劇症化率10〜15%
          くしゃみなどの飛沫感染で伝播する(気道を通して血中に入る)
          日本での発症率が低いため、ワクチンは輸入されていない。
          ワクチン接種は海外から取り寄せるか、海外摂取などの方法をとることになる。



          以上が、治療をしないとほぼ100%死に至る感染症です。
          的確な診断と、適切な治療を行えば対応可能な感染症です。
          微熱が長引くなど、体調におかしな点を感じたら放置せず病院で診察を受けましょう。

          ということで、治療しないと危険な感染症も数回に分けてまとめて行きます。




          怖い感染症  5  (重篤な症状が出やすい感染症)

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            今回は致死率は低いが、重症化すると予後が悪い感染症をまとめます。


            重症急性呼吸器症候群(SARS) 
             
            【致死率】
            14〜15% 

            【病原体】
            SARSウイルス  

            【分布】
            世界中 

            【潜伏期間】
            2〜10日 

            【症状】
            初期症状として発熱、筋肉痛などインフルエンザに似た症状を発し、症状が進行すると、
                 呼吸困難などの肺炎症状を示し、下痢などの消化器異常も発症(8割はここから回復)
                 急速に呼吸促迫及び酸素飽和度の低下を起こし、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)を起こし、
                 死に至ることが有る。(発症の2割弱)
                 

            【治療法】
            有効な根治療法無し、症状の緩和と一般的な細菌性肺炎に対する治療を行う。
                   いくつかの薬剤の有効性の報告があるが、立証されていない。
                   患者の隔離以外有効な予防対策はない。

            【詳細】
             
            流行の中心は院内感染で、成人に多く子供の患者は少ない。
            発症者の8割は回復し、2割が重症化(年齢や発症前の健康状態により重症度合いが違う)
            現在でも感染源、感染経路など解明されていない。
            飛沫感染が有力だが、空気感染の可能性も除外されていない。




            腎症候性出血熱 

            【致死率】
            10%

            【病原体】
            ハンタウイルス

            【分布】
            ヨーロッパ・アジア

            【潜伏期間】
            10〜30日 

            【症状】軽症の場合、上気道炎と微熱、軽度の蛋白尿などが見られる。
                 重症の場合、低血圧(4〜10日)、乏尿(8〜13日)、利尿(10〜28日)そして回復に向う。
                 3〜4割で出血傾向が見られる。 

            【治療法】有効な治療法なし、対処療法のみ。
                   急性腎不全に注意し、必要な場合人工透析を行う。

            【詳細】
             
            ネズミを介して感染する。
            ウイルス保持のネズミに噛まれる、傷口からのネズミの体液、排泄物などの侵入で感染。
            ウイルス保持のネズミの尿に多量に含まれるため、し尿を含んだ粉塵などで感染する事も有る。
            ヨーロッパ型(スカンジナビア型)は良性腎症が多い。
            反して、アジア型は重症化することが多い。
            人-人感染はない




            ジフテリア 

            【致死率】
            5〜10% 

            【病原体】
            ジフテリア菌

            【分布】
            世界中

            【潜伏期間】
            1〜10日 

            【症状】
             発熱、咽頭痛、嚥下痛などを初期症状とし、血液を帯びた鼻汁、鼻孔、上唇のびらん
                  咽頭周辺に白(灰色)い偽膜が形成され、偽膜が気道まで侵出し呼吸困難を生じる。
                  膜形成が声門、気管支まで進展すると気管閉塞で死に至ることがある。

            【治療法】ワクチンによる予防が最善策
                   血清治療はアナフィラキシーショックに注意 

            【詳細】
             
            感染者の発症率は10%
            ワクチンが開発されるまでは年間数万人が感染していたが、現在はワクチン効果で年20人程度
            発症患者及び、未発症患者の咳などによる飛沫感染




            サル痘 

            【致死率】
            1〜10% 

            【病原体】
            サル痘ウイルス

            【分布】
            アフリカ・アメリカ 

            【潜伏期間】
            7〜21日  

            【症状】
             初期症状として発熱、発疹、発汗、頭痛、咽頭痛、リンパ筋腫脹が現れ、
                  重症化すると天然痘と区別が付かない。

            【治療法】
            特別な治療法なし、対処療法のみ
                   種痘による予防は効果的だが、天然痘撲滅後行っていない国が多い(日本も) 

            【詳細】
             
            重症化した場合、天然痘に似た症状が出る。
            サルが発症すると、天然痘と同じ症状を発し致死率は高い(3〜48%)
            宿主はアフリカのリス。




            Q熱

            【致死率】
            1〜2%(急性)

            【病原体】
            コクシエラ菌

            【分布】
            世界中 

            【潜伏期間】
            20日程  

            【症状】
             初期症状はインフルエンザに似ているが、肺炎や肝炎など他の症状も発するため、特定が難しい。
                  急性型の2〜10%で心内膜炎を起こし、慢性化する。
                  適切な治療を行わないと致死率が高くなる。
                  
            【治療法】
            テトラサイクリン系の抗菌剤が有効、クロラムフェニコールも有効
                   急性型の場合長期投与が必要、慢性型の場合投薬による改善は十分に得られない。
                   急性から慢性に至らないように治療することが重要。

            【詳細】
             
            病名は「Query fever = 不明熱」(原因不明の発熱だったため)
            コクシエラ菌はリケッチアの一種
            感染動物の排泄物、乳などに含まれエアロゾルや、汚染された土壌の粉塵から感染する。
            ダニから家畜やペットに感染し、人に感染する。
            人-人感染はない
            妊婦が感染すると流産の危険性がある。



            以上が、重症化すると予後が悪い感染症です。
            この後は、現在の医療技術のおかげで、致死率も低く危険度も低いが有名な感染症をまとめ、
            治療を怠ると致死率が高い感染症に移ります。




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